GMOクリック証券のCFD取引(店頭CFD)とは

私が行っているレバレッジ取引の一つである「CFD」には、店頭CFDと取引所CFDの二つの形式が存在します。この記事では、私が活用しているGMOクリック証券が提供する店頭CFDについて詳しく説明していきたいと思います。

店頭CFD(GMOクリック証券)の構造と特性: レバレッジが最大の魅力

店頭CFD、または取引所CFD(くりっく株365)のいずれにおいても、最大の特徴といえばレバレッジとなります。

これは、比較的少ない投資で、大量の資本を運用できるという特性を意味します。運用がうまくいけば、投資のリターンは著しく増加し、一年で投資金額が数倍になることも可能です。しかしながら、不運な場合は、あなたの所有資金が短時間でゼロになることもあり得ます。

CFDは、Contract For Difference(差金決済取引)の頭文字を取ったもので、基本的には「差額契約」、つまり差金決済を指します。

多くの企業は、借り入れを利用してビジネスを運営しています。そのため、借り入れ金利を上回る利回りを出すことができれば、その差額が利益となります。

投資も同じで、たとえば米国のダウジョーンズ平均株価指数やS&P500は、過去のパフォーマンスを見ると、配当を含めて年間平均約8%のリターンがあります。

しかし、(詳しくは後述しますが)現在、CFDを使用して米国の指数投資を行うと、金利は2020年現在約1.75%となります。

過去30年程度の平均リターンを基に、現物投資を行うと、配当を除いても年間8%程度のリターンが見込めますが、CFDの金利を考慮しても、例えばレバレッジを2倍にすると、理論的には(8-1.75)×2=12.5%のリターンが得られます。

もちろん、株価指数が半分になれば投資資金はゼロになりますので、全員に対して2倍のレバレッジを強く推奨するわけではありません。

しかし、レバレッジを適用すること自体が悪いわけではなく、適切にレバレッジを掛け、資金の管理を行うことで、現物投資を超えるリターンを得ることが可能です。

店頭CFD(GMOクリック証券)の機能と仕組み

店頭CFDは、その名が示す通り、個々の証券会社が自らCFD取引を行っています。

この文脈では、「店」は証券会社を指します。

私自身がGMOクリック証券でCFD取引を行っているため、店頭CFDはGMOクリック証券CFDと同義であると理解しています。

事実上、店頭CFD取引の大部分はGMOクリック証券が占めており、多くの投資家がGMOクリック証券を通じてCFD取引を行っていると考えられます。

店頭CFDは、証券会社が独自にCFD取引の設定を行います。その結果、取引の売買価格は証券会社が提案したものになります。扱う銘柄や売買価格も証券会社が決定します。

証券会社は投資家に対して独自の売買価格を提示します。取引が成立した場合、その取引を基に国内外の取引所や提携金融機関に同じ注文を出し、リスクを減らします。

店頭CFDは最終的に投資家と証券会社の間での取引です。そのため、理論的には投資家からの注文を証券会社が取引所や金融機関に出さずに自己処理することも可能です。

しかしこの場合、証券会社が大きなリスクを負うことになるため、通常は同様の注文を出してリスクを回避します。

店頭CFD(GMOクリック証券)のレバレッジと証拠金について

記事の冒頭で、「CFD取引の最大の特徴はレバレッジ」と述べました。

それでは、店頭CFDにおけるレバレッジはどの程度か、そして投資を開始するための最小金額、つまり必要最低限の証拠金はどのくらいなのでしょうか?
店頭CFD(GMOクリック証券)のレバレッジは銘柄により異なります

GMOクリック証券のケースでは、取引するCFD商品の種類によって最小取引価額とレバレッジが設定されています。

前者は日々変動する一方、レバレッジは一定です。

購入したCFD商品の価格が下落すれば、損失が増大し証拠金は減少します。一方、価格が上昇すれば、逆に証拠金も増加します。

CFD商品の種類とレバレッジの最大値は以下の表に示されています。

口座 株価指数CFD 商品CFD バラエティCFD 株式CFD
参照原資産 株価指数先物、
ETF(株価指数連動型)
商品現物、
商品先物
ハイレバレッジ型ETF、ETN
REIT型ETF
その他指数先物
株式現物
レバレッジ 10倍 20倍 5倍 5倍

店頭CFD(GMOクリック証券)の利息と配当について

実際にGMOクリック証券でCFD取引を行うと、取引した銘柄によって、価格調整額、金利調整額、権利調整額という3つの調整額の支払いまたは受け取りが発生します。

これらの専門用語は複雑に思えるかもしれませんが、根本的には配当金と金利の支払いと理解すれば良いです。

CFDで長期投資を行う場合、取引手数料(スプレッド差)よりも金利負担が大きくなり、取引手数料(スプレッド差)はそれほど重要ではなくなります。したがって、金利と配当金は非常に重要な要素となります。

店頭CFD(GMOクリック証券)の取引手数料とスプレッド差

株式投資に精通している方は、株式売買に手数料が発生することを理解しているでしょう。手数料は証券会社の主要な収益源であり、これがなければ会社は運営できません。店頭CFDにも取引に手数料が発生しますが、GMOクリック証券の場合、明示的な売買手数料は存在しません。その代わり、スプレッド差が事実上の手数料として機能します。

GMOクリック証券のCFDスプレッド差

例えば、米国S500という銘柄に焦点を当ててみましょう。BID(売)とASK(買)の価格差は0.3ドルです。この売りと買いの価格差をスプレッド差と呼び、投資家にとっての実質的な手数料となります。

 

店頭CFD(GMOクリック証券)と為替の影響

GMOクリック証券のCFD取引では、ほとんどの銘柄がドル建てで取引されます。そのため、取引価格が為替の影響を受けると考える方が多いかもしれません。しかし、GMOクリック証券のCFD取引では、為替の影響は損益にのみ反映され、取引価格自体は為替の影響を受けません。これがなぜこのような仕組みになっているのかを説明します。

店頭CFD(GMOクリック証券)の為替リスク

店頭CFDは、利益・損失や配当にのみ為替が影響を及ぼす形態で、その仕組みについて詳しく解説します。

米国S500、つまり、S&P500の先物価格を原資産とする銘柄への投資を例にします。現在価格が2,695ドルで、レバレッジが10倍の場合、必要証拠金は269.5ドルとなります。

証拠金は円換算で計算され、例えば為替レートが1ドル=110円の場合、必要証拠金は269.5ドル×110円/ドル=29,645円となります。しかし、1ドルが100円になると(円高)、必要証拠金は26,950円となり、1ドルが120円になると(円安)、必要証拠金は32,340円となります。つまり、為替は必要証拠金に影響を与えます。

しかし、CFDの購入はドルで行うため、購入後に円高または円安になっても、損益には影響を与えません。例えば、2,695ドルで米国S500を購入した場合、その後の為替変動は価格が変わらなければ損益に影響を与えません。

利益または損失が確定した後の損益にのみ、為替の影響が出ます。例えば、2,695ドルで購入したものが2,700ドルに上昇した場合、5ドルの利益を得ます。この時、レートが1ドル=100円の場合、利益は500円、110円の場合は550円となります。

また、配当(権利調整額)についても為替レートが適用されます。例えば、1ドルの配当がある場合、ドル円の為替レート×1の日本円を受け取ります。

これらの仕組みにより、店頭CFDは為替の影響を受けますが、現物取引に比べて為替リスクは少ないと言えます。例えば、同じS&P500を原資産とする東京証券取引所のETF1577を購入すると、株価自体が為替の影響を受けます。原資産であるS&P500株価指数が上昇しても、円高になるとその上昇が打ち消されることもあります。

為替の影響が損益、証拠金、配当にのみ及ぶという点は、店頭CFDの優れた特性と言えます。

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