知っておくべきローソク足の見方と使い方

FXを始める初心者が押さえておくべき基本的な知識の一つとして、チャートの解釈方法があります。チャートは、FX取引における売買のタイミングを探るために不可欠なツールです。

特に、「ローソク足チャート」は多くのトレーダーによって活用されています。したがって、今回は初心者でも容易に理解できるように、FXチャートの基本とも言える「ローソク足チャート」の読み方、さらには重要なパターンと分析手法を説明します。

チャートとは過去の価格変動を視覚化したもの

FXにおけるチャートとは、過去の為替レートの変動を「価格と時間」を軸に描画したグラフです。このチャートは、各種金融情報ウェブサイトやFXの取引インターフェース、また専用のスマートフォンアプリを通じて確認することが可能です。

FXトレーディングを開始する際に、チャートの読み取り方を理解する理由は、チャートを活用することにより、これまでの価格変動が一瞥で理解できるからです。FXで利益を得るためには、様々なデータを分析し、未来の価格動向を予測し、取引の適切なタイミングを見極める必要があります。このアプローチは「テクニカル分析」と呼ばれています。

したがって、過去の価格変動がしっかりと記録されているチャートは、トレーディングに必要不可欠な情報源となります。売買の最適なタイミングを見つけるための重要なツールの一つであるチャートには、「ローソク足」、「バーチャート」、「折れ線足」の3つの主要な表現形式が存在します。

その中でも、「ローソク足」は株式市場を含む多くの場所で利用されており、FX会社のチャートツールでもデフォルト設定で採用されているなど、FX市場においても最も頻繁に用いられるチャート形式です。それゆえに、このFXチャートの基本である「ローソク足チャート」の読み方を解説します。

ローソク足チャートとその定義

「ローソク足チャート」は、一定の期間(日、週、月等)の通貨レートの動きを、一本の線を中心にした二色の棒の連続で視覚化したものです。

この棒の形状が「ローソク」に似ており、その形から通貨の動き(つまり、歩み)が明確になるため、「ローソク足」という名前が付けられました。ローソク足は、江戸時代に米商人の本間宗久によって発明され、その後、世界に広まったとされています。世界の投資家の間では「キャンドル・スティック」と呼ばれ、現在も広く利用されています。

ローソク足の基本的な知識

ローソク足は一見シンプルに見えますが、実際には多くの情報が含まれています。一つのローソク足の形から、一定期間の開始価格と終了価格、最高価格、最低価格という4つの情報がすぐに理解できるようになっています。これら4つの情報は以下の通りです:

  1. 開始価格:一定期間で最初に取引された価格
  2. 終了価格:一定期間で最後に取引された価格
  3. 最高価格:一定期間の取引で最も高い価格
  4. 最低価格:一定期間の取引で最も低い価格

それぞれの目的が異なるので、理解しておくことが重要です。

また、チャートでは一本のローソク足が表す期間によって呼び方が異なります。以下にそれを示します:

  1. 日足:日単位で表示する
  2. 月足:月単位で表示する
  3. 年足:年単位で表示する
  4. 分足:分単位で表示する

例えば、分足チャートは1分間という短い時間の通貨の変動を表現したもので、デイトレーダーによく利用されています。

ローソク足には、「陽線」と「陰線」の2つのタイプがあり、これらを見やすくするために赤や青など2色で表示を分けています。FX会社によって使用する色は異なるため、実際の取引画面を確認するとよいでしょう。「陽線」と「陰線」の違いは以下の通りです:

  1. 陽線:開始価格よりも終了価格が高い場合のローソク足
  2. 陰線:開始価格よりも終了価格が低い場合のローソク足

さらにローソク足は、指定された期間の「最低価格」と「最高価格」を表す「ヒゲ」と、「開始価格」と「終了価格」を表す「実体」の2つで構成されています。以下の図はローソク足の各部分の名称とそれぞれが表す情報です。

単に概要を説明するだけではイメージが難しいかもしれません。次のセクションでは、実際の価格動向から「陽線」と「陰線」、「ヒゲ」がどのように描かれるのかを図を用いて説明します。

「陽線」の形成パターンの例

今回は、ある1日の価格変動を用いて、ローソク足の描き方を説明します。この1日の開始時点での価格、「始値」は左側の★が示す「110円」です。そして1日が終了した時点での価格、「終値」はもう一つの★が示す「120円」です。これら二つの価格、110円と120円の間を白い四角が表現するのが「実体」です。この日の「終値」が「始値」よりも高かったため、このローソク足は白い「陽線」になっています。

次に、「ヒゲ」を描きます。この日の最安値、すなわち「安値」は100円で、逆に最高値、すなわち「高値」は130円でした。先程説明した「実体」から「安値」および「高値」まで引かれた線が「ヒゲ」です。

「陰線」の形成パターンの例

次に、「陰線」が形成されるパターンを説明します。基本的には「陽線」の形成方法と同じです。

まず、「始値」と「終値」を確認します。下記の図に示されているように、この日は120円から始まり、110円で終了しました。したがって、120円と110円の間が「実体」を形成します。また、「始値」よりも「終値」が10円低かったため、このローソク足は黒色の「陰線」になっています。

次に、この「陰線」の「実体」から、その日の「安値」である100円と「高値」である130円まで線を引くことで「ヒゲ」を描き、ローソク足が完成します。

ローソク足が示すレートの変動は、トレンドの把握に非常に有用です。

ローソク足チャートの見方は、初めての方にはすぐに理解できないかもしれません。しかし、ローソク足の構造自体は単純で、その読み方を一度学べば非常に使いやすくなります。これが多くの人々がローソク足チャートを利用する理由です。この機会にぜひ、ローソク足チャートの解釈方法を身につけてみてください。

初心者が学ぶべき主要なローソク足のタイプとパターンとは何でしょうか?

「実体」と「ヒゲ」がローソク足を形成する要素であることを理解していただけたと思います。FXトレーディングを行う際には、チャート上のローソク足の特徴を解析してトレンドの流れを把握するために使います。ローソク足の特性は、「実体」と「ヒゲ」の存在や長さを鑑みて判断します。

売買のサインとして頻繁に現れる特定のローソク足のパターンは一定の範囲で決まっていますので、いくつかここで紹介しましょう。ただし、ここで紹介する特定のローソク足がチャートに現れたからといって、必ずしも説明した通りのトレンドになるわけではないことにご注意ください。

【まとめ】ローソク足の種類、ヒゲ、チャートの解釈

FX初心者が取引を開始するために最初に理解しておくべき、ローソク足の基本について説明しました。ローソク足だけでもトレンドの変化を検討することができますので、この機会にしっかりと理解を深めておくことをお勧めします。

 

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