押し目買いや戻り売りのタイミングは、FX取引において非常に難しいと感じることが多いでしょう。
過去のチャートでは成功したとしても、リアルタイムのチャートではうまくいかないことがよくあります。FX取引は「買いと売り」、あるいは「上がるか下がるか」のように単純に見えるかもしれませんが、実際には非常に複雑なものです。
裁量取引の課題
初心者の多くがつまずくのは、裁量取引です。裁量取引とはエントリーから決済まで取引を自分の判断で行うものです。これが難しく感じる場合、別のアプローチが必要かもしれません。
売買タイミングの解説
今回の解説では、初心者でも取引を行いやすいように、売買に適したタイミングに焦点を当てます。値動きの方向性を理解し、ポイントを把握することが大切です。
押し目買い・戻り売りのタイミングを掴むのは確かに難しいですが、システムトレードの練習やインジケーターの活用を通じて、少しずつ理解を深めることができます。焦らず、段階的に学びながら、取引のスキルを磨いていきましょう!
24時間取引可能なFXの仕組みについて
多くの人々が株式投資と外国為替取引(FX)の間にある大きな違いに気づくことでしょう。それは取引時間です。株式投資は市場の開いている時間に制約されるのに対し、FXは24時間取引が可能です。なぜこの違いがあるのでしょうか?
国内株式の取引は、特定の証券取引所が開いている時間、通常9:00〜15:00の間に限られています。それ以外の時間は取引が行えません。
FXの取引時間は24時間となっており、その理由は「インターバンク市場」にあります。インターバンク市場とは、世界中の金融機関が参入する外国為替取引ネットワークのことで、このネットワークを通じて、いつでも取引が可能です。
ただし、土日は全世界の為替市場が閉まっているため、この期間には取引を行うことはできません。
取引の終了時間はFX会社ごとに異なる
FXは基本的に平日24時間取引できますが、FX会社によって取引の終了時間は多少異なります。
主要FX会社の取引可能時間は、以下のとおりです。
FX会社名 | 月曜日の取引開始時間 | 金曜日の取引終了時間 | 平日の取引不可能な時間 |
SBI FXトレード | 7:00 | 翌5:30(土曜日) | 5:30から30分程度 |
DMM FX | 7:00 | 翌5:00(土曜日) | なし |
GMOクリック証券 | 7:00 | 翌6:00(土曜日) | なし |
外為どっとコム | 7:00 | 翌5:55(土曜日) | 5:55〜6:10 |
みんなのFX | 7:00 | 翌5:40(土曜日) | 5:40〜6:00 |
参照:各公式サイト
世界のFXの癖と特徴
FX取引は一日24時間可能であるものの、取引される時間帯によって、市場の動きの特性や癖が変わることがあります。
以下、世界の主要なFX市場と、それぞれの取引時間帯における癖と特徴を探ってみましょう。
- 東京市場の時間帯の癖と特徴
- ロンドン市場の時間帯の癖と特徴
- ニューヨーク市場の時間帯の癖と特徴
これらの東京、ロンドン、ニューヨークは、世界三大市場として知られる重要な取引所です。
FX取引で成功を収めるためには、これら3つの主要市場の特性と動きの癖を理解することが非常に重要となります。
東京時間帯の市場の癖と特色
東京の取引時間は、日本だけでなくアジアのトレーダーたちによって活気づけられる市場となっています。
主に日本円やオセアニアの通貨(例:豪ドル、NZドル)が取引されることが一般的です。
市場がオープンする午前9時前後には、価格の動きが活発化しやすく、特に9時55分に「仲値」が確定する時刻には、米ドル/円の取引が非常に活発になることが多いです。 仲値について
仲値は、日本の金融機関が顧客に対して適用する基準為替レートとなります。為替レートのリアルタイムな変動に対応できないため、午前9時55分のレートを基に設定されます。
仲値が確定する10時以降は、市場の動きが落ち着き、価格の変動が比較的穏やかになることが一般的です。
ロンドン取引時間の特性と癖
16時以降、欧州の市場が活動を開始し、東京市場と比べて取引の活発化が見られます。
特にユーロ(EUR)や英ポンド(GBP)などの欧州通貨の取引が増加し、トレンドの形成がしやすくなります。
ユーロ圏や英国の経済指標発表時には価格の動きが急激になることがあるため、慎重な取引が求められます。
19時頃になると昼休み時間となり、市場の動きが一旦落ち着くことが一般的です。ロンドン時間帯で強いトレンドが見られたとしても、この時間帯を境に弱まることがしばしばあります。
ロンドン市場では夏時間と冬時間の導入があるため、市場の開閉時間が季節によって変動します。
- 夏時間:16時~24時 3月の最終日曜日から10月の最終日曜日まで
- 冬時間:17時~25時 10月の最終月曜日から3月の最終土曜日まで
取引を行う際は、これらの時間変動に注意してください。
ニューヨーク取引時間の特色と習性
21時に開始されるニューヨーク市場では、価格の変動がより活発化します。
特に21時から翌2時までの時間帯はロンドン市場との時間が重複するため、価格の動きが非常に激しくなることが多いです。デイトレーディングなど、短期間での利益追求を目的とするトレーダーにとって、この4時間は重要な勝負の時間となるでしょう。
東京市場の仲値に相当する「ロンドンフィックス」は午前0時に設定され、このタイミングではユーロやポンドの価格変動が顕著になることがあります。
午前2時以降は、市場の動きが一段落し、レンジ相場が形成されることが一般的です。ただし、この時間帯でも米国の経済指標の発表や政府要人の発言などがあると、再び価格の動きが激しくなることがあるため、常に注意が必要です。
取引時間帯を選ぶ利点
取引時間帯を明確に設定することの利点は主に以下の2つに分類されます。
- 時間管理がしやすくなる
- 個人的な取引戦略が構築しやすくなる
これらの利点を理解することで、FXの成功確率を高めることができるでしょう。以下、各利点について詳しく説明します。
時間管理がしやすくなる
取引時間帯を設定すると、時間の効率化が図れます。FX市場は平日24時間開いていますが、全時間を監視する必要はありません。効率的な取引のためには、戦うべき時と戦わないべき時を選ぶセンスが求められます。
時間を増やせば利益が増えるわけではないので、短い時間でも市場の動きを理解し、利益を追求できるように努力しましょう。無駄に市場を監視するのではなく、自分が得意とする市場や戦略的に勝てる市場に集中することが重要です。
個人的な取引戦略が構築しやすくなる
自分だけの取引戦略を作りやすくなるのも、取引時間帯を設定する大きな利点です。
為替市場の動きは時間帯ごとに特色があり、東京、ロンドン、ニューヨークの時間帯ではそれぞれ適切な取引手法が存在します。
初心者にとって、すぐに時間帯ごとの異なる手法を使いこなすのは困難かもしれません。しかし、取引時間帯を限定すれば、その時間帯に合わせた戦略をしっかりと築くことができ、効率的に利益を追求することが可能になります。
まずは、各時間帯の動きを理解し、自分に最適な時間帯を見つけることから始めてみましょう。