FXの注意点やリスクについて

FX取引の魅力を再確認しましょう。その一つは、レバレッジを活用し資金の効率性を高めることができる点です。また、取引は24時間行うことが可能なので、通常の仕事を持つ人たちも取引時間を自由に設定できます。さらには、スワップポイントを利用して金利差収入を目指すことも可能で、売り買いどちらからでも取引を開始できます。市場の状況に応じて取引戦略を調整する柔軟性、そして手数料が無料であることも大きな魅力となっています。

それでは、その一方でFX取引のデメリットは何でしょうか?次に、FX取引で注意すべきポイントを見ていきましょう。

高レバレッジ取引と長時間の取引には慎重に取り組む必要がある

FXでは最大25倍までのレバレッジを使用することができ、少額の投資でも大きな利益を追求することが可能です。この資金効率の良さはFXの魅力的な側面ですが、同時に大きなリスクも伴います。

市場の専門家であっても、100回の取引で全勝することは珍しいでしょう。外国為替市場は全世界の個人、企業、国家がさまざまな理由で参加する巨大な市場です。その全ての動きを予測することはほぼ不可能で、予期せぬ事象によって相場が動くことも珍しくありません。相場が予想と逆方向に動いた際の損失額をしっかりと理解し、管理することが重要です。

一回の取引で許容できる損失の限界を決め、ロスカット注文を適切に配置するなど、取引のリスク管理に細心の注意を払うべきでしょう。

相場は休みなく動いている

FXでは24時間取引が可能なため、自分が仕事中や睡眠中でも、市場は常に動いているのです。ポジションを保持しているときでも、常に取引画面を監視するわけにはいかないでしょう。予期せぬ大きな相場変動が起きた際に、思いがけず大きな損失を被らないように、ロスカット注文を適切に設定して、突然の市場の動きに備える重要性があります。

システム上のリスクに備える

FX取引は主にインターネットを介して行われるため、システムリスクが関与します。金融庁による厳しい監督があるため、業者のシステムエラーで取引が停止することは少なくなっていますが、完全には排除できません。また、自分の使用しているPCやスマートフォンが突如故障する可能性もあるのです。

業者側のリスクに対処するためには、複数の業者で口座を開設するなどの策が効果的です。自分の取引ツールの故障に対しては、PCとスマートフォンの双方から取引できるように設定しておき、ロスカット注文を正確に配置することで、万が一取引ができない状況に陥っても損失を最小限に抑えるように工夫することが重要です。

流動性リスクへの警戒が必要

外国為替市場は全世界で最も取引量の多い市場であり、主要通貨ペアにおいては通常、急激な価格変動によって取引が停滞することは少ないです。

しかし、過去には英中銀の破産が噂された1992年のポンド危機や、1998年のLTCMの破産によるドルの暴落など、突然の価格変動が起こるケースもありました。最近では2015年のスイスフランショックが顕著な例となっており、これらの事例は非常にまれではありますが、存在するリスクとして意識する必要があります。

加えて、FX取引可能な通貨ペアが増加している現在、取引量が少ない通貨についても注意が必要です。トルコリラ円のように、取引量が極端に少ない通貨ペアは突如大きく値動きするリスクがあります。ロスカット注文を適切に配置することでリスクを一定程度まで軽減できますが、スイスフランショックのように世界中で取引がなくなり、想定以上の損失が発生する可能性も考慮しなければなりません。

少ない取引量の通貨ペアを取引する際には、特別な注意を払い、流動性リスクを常に念頭に置いて取引を行うべきです。

まとめ

FXの取引には数多くのメリットが存在しますが、それに伴うデメリットも無視できないものがあります。しかし、ロスカット注文を適切に活用することで、これらのリスクはある程度軽減することが可能です。

ただし、ロスカット注文の使用は、機関投資家やインターバンクディーラーなどの専門家にとっても困難な場合があります。特にスイスフランショックのような予測不可能なリスクも存在するため、リスクを完全に排除することはできません。

したがって、FX取引においては、リスクを十分に理解し、計画的に取引を進めることが重要です。適切なリスク管理を行いつつ、慎重に取引に取り組むことで、FXのポテンシャルを最大限に引き出すことができるでしょう。

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