FXの時間足について

FXのローソク足チャートには、1分足、5分足、日足など様々な時間足のグラフが存在します。

複数の選択肢があると、特にFXの初心者はどの時間足を選べば良いか迷ってしまうことがあります。

このチャートの時間軸は、トレードスタイルに応じて主に参照するものを変更することが重要です。

FXチャートの時間足とは何か

時間足とは、チャートにおける一本のローソク足が表す時間の長さのことを指します。

例えば、1分足のチャートでは、1分間の市場の動きが一本のローソク足として表現されます。同様に、1時間足の場合、一本のローソク足は1時間分の価格変動を示します。

なお、その読み方について注意が必要です。"足"は"そく"と読むのではなく、「1分足」は「いっぷんあし」、「5分足」は「ごふんあし」と読みます。

また、「日足」も、「にっそく」ではなく「ひあし」と正しく読むことが重要です。

これはFX取引の基本中の基本なので、誤解のないようにしましょう。

FXの時間足と取引スタイルの相関性

時間足が一本のローソク足が表現する時間を指すことを理解した上で、短期的な取引を行うスキャルピングでは1分足を参照するのが良いといったように、ある程度時間足の選択と取引スタイルとの関係性は直感的に理解できるでしょう。

しかし、それは「主に参照するチャート」に過ぎず、一つの時間足だけに固執するべきではありません。

具体的には、どの時間足を参照すべきかという問いに対して一般的なガイドラインは以下のようになります

  • スキャルピング:1分足をメインに、30分足と1時間足を補助的に参照する
  • デイトレード:15分足または30分足をメインに、1時間足と4時間足または8時間足を補助的に参照する
  • スイングトレード:日足をメインに、4時間足と週足を補助的に参照する

これらはあくまで一般的な目安であり、同一の取引スタイルでも個々の戦略により適用する時間足は多少異なる場合があります。

例えば、スキャルピングに近いデイトレードスタイルの人は、30分足よりも15分足や5分足を参照するのが適しているかもしれません。また、1日に1~2回しか取引しないデイトレードスタイルの人は、30分足よりも1時間足を主に参照することが良いと考えられます。

ただし、全てのトレーダーに共通するのは、メインで使用する時間足以外にも、他の時間足のチャートを参照する習慣を持つことが有益であるという点です。

最低でも3つの時間足を参照する

どの取引スタイルであれ、一つの時間足だけを参照して取引を行うことは推奨されません。例えば、「スキャルピングを行っているので1分足しか見ない」や「デイトレードを行っているので4時間足しか見ない」というのは避けましょう。

では、なぜ複数の時間足を参照する必要があるのでしょうか?

その理由は、「長い時間足のチャートは、短い時間足の集合体である」からです。これを更に明確にすると、「長い時間足は短い時間足が細分化されたもの」だと言えます。

しかし、この説明だけでは理解が難しいかもしれません。それでは、具体的な例を用いて説明しましょう。

上記の画像は、特定の日のドル/円の5分足チャートの一部分を示しています。

最も左側のローソク足から始めて、①から⑥まで番号を付けて説明します。

①は青色なので下降の足ですが、②から④まではすべて上昇の足となっています。

しかし、⑤で再度下降の足に戻り、⑥も下降の足となっています。

さらに、⑥の下降足の「最高値」、「最安値」、「開始値」、「終了値」は全て、⑤よりも低い値となっていることが分かります。

では、次に形成される⑦はどのようになると予想しますか?

このチャートだけを見ると、⑦も下降の足で価格が下がると予想する人もいるでしょう。

では、実際の結果はどうだったのでしょうか?

その後、再び上がっていきました。

時間足を変えてみるとどうでしょうか?

30分足のチャートに切り替えると、上記の図のような形になります。

はい、短い時間足で見ている時には「下降トレンド」だと考えることもありますが、長い時間足で見ると全く逆の「上昇トレンド」に見えることがあります。

5分足だけで見て「売り注文」を入れていたら、損失を出していた可能性があります。

その理由は、30分足の中央のローソク足が、5分足で言うと上図の灰色の枠内に相当するからです。

この6つのローソク足が一つにまとまるので、30分足で見ると、最安値は5分足の②の最安値となり、最高値は5分足の⑦の最高値となるわけです。

つまり、30分足で見れば、下降トレンドとは全く逆に、3本目のローソク足が形成されたことで上昇トレンドに移行している可能性が高いと言えます。

このように、時間足を変えると異なるトレンドが見えることはよくあります。

だからこそ、現在のトレンドが何なのかを見極めるために、複数の時間足を参照する必要があるというわけです。

では、2つではなく3つの時間足を見る方が良い理由は何でしょうか? これは、長い時間足の方が一般的な分析結果に近い結果が得られやすいためです。

短期間のトレードスタイルでは、5分足を主に使いつつ、1~2段階上の15分足や30分足を補助的に使い、さらにそれ以上に長い1時間足や4時間足もチェックすることで、自身の判断が間違っていないかを見極めることが可能です。

しかし、その一方で、短期トレードスタイルにもかかわらず週足を見ても、おそらく大きなメリットは得られないでしょう。

さらに、スキャルピングスタイルを採用している場合、例えば5分足の6本目が始まるタイミングで売り注文を行い、この5分間で決済をすれば、損失を避ける可能性は高いです。

しかしながら、全体として上昇トレンドが見られる場合、タイミングを少し間違えただけで損失を生じる可能性が高まります。

チャートは3つのパターンに分けられる

どの時間足のチャートを見ても、基本的にチャートは3つのパターンに分類されます。

それらは、「上昇トレンド」、「下降トレンド」、そして「レンジ」です。

上昇トレンドは価格が上昇していく動き、一方で下降トレンドは価格が下降していく動きを示します。

では、「レンジ」パターンとは何でしょうか。レンジとは、価格が一定の範囲内で上下に動き続ける、方向性のない状態を指します。

これらのパターンは時間足が何であれ一貫しています。

長い時間足でチャートを観察し、現在どのパターンにあるかを判断しつつ、短い時間足で注文を出す。これが一つの収益を上げるための方法だと考えられます。

まとめ

FXトレードにおいて、どの時間足を観察するかは、取引結果に大きく影響を及ぼす重要な要素です。

そして、単一の時間足に頼るのではなく、多様な時間足を観察して全体のトレンドを把握することが、FX取引において重要です。

チャートを開いた瞬間に大きな価格変動を見つけた場合、直感的に即座に取引を行いたくなるかもしれません。しかし、一旦落ち着き、他の時間足も確認することが有益です。

私自身、この衝動に負けて何度もミスを犯してきました。

"見るべきは木一本ではなく、全体の森"ということを忘れずに、冷静な分析を通じて勝利を手に入れましょう。

 

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