FXでのアノマリーとは?

FXの取引を進めていく中で、「アノマリー」という言葉に出会うことが増えてきますが、この言葉の背景や意味、そしてFXとの関わりについて具体的に知る必要があります。

本記事では、FXでのアノマリーの具体的な内容、その多様なタイプ、そして実際のトレードにどのように役立つのかについて、詳細に説明していきます。

アノマリーの実体とは?

アノマリーは、通常の投資理論や基本的なファンダメンタルズで明確に説明することが難しい、しかし為替相場に一定の影響を与える傾向や現象のことを指します。これには月ごとの特定の動きや、特定の曜日などの特有の現象としてのアノマリーが存在します。

以下、注目すべきアノマリーの例を挙げていきます。

主なFX関連のアノマリーとして何が挙げられるのか?

特に日本では、「ジブリ効果」として知られるアノマリーがあります。これは、毎月の第一金曜日に公表されるアメリカの雇用統計発表日に、ジブリの映画がテレビで放送されると、為替が大きく動くという現象を指します。

確定的な原因は不明ですが、ジブリ映画が放送される雇用統計の結果は、多くの場合、予想よりも不振となる傾向が見られます。

年ごと(月別)のFXアノマリーの特徴

1月 米ドル/円の1月の動きが、その年の全体のトレンドを示すことが多いとされるアノマリーが見受けられます。
株式相場に新たな資金が流入する1月は、為替との相関性も見られるため、米ドル/円が上昇する傾向が高まります。さらに、1月の高値や安値が、年間を通じてのピークやボトムとなることも一般的です。
2月 2月は1月の反動や米国債の償還、ヘッジファンドの決算関連の動きなどから、米ドル/円が下落しやすくなります。特に月の始めから終わりにかけてのこの動きが顕著です。
3月 年度末の影響で、多くの日本企業が外貨を円に換金するリパトリエーションの動きが強まり、これに伴い米ドル/円は下落しやすくなります。
4月 新たな投資資金が外貨市場に流れる4月は、米ドルの需要が高まり、結果として米ドル/円が上昇しやすい月となります。
5月 「SELL IN MAY」の格言が示すように、この月は売りムードが強まることから、米ドル/円は下落しやすくなります。特に月末には方向性が大きく変わることもあります。
6月 6月は、その年の最高値や最安値が形成される可能性が高くなります、特に5月の動きを受け継いでの動きが期待されます。
7月・8月 夏季はトレードの活動が低下する傾向があり、7月は米ドル/円が上昇し、8月は下落しやすくなります。特に日本のお盆期間は、需給の影響を強く受けることが多いです。
9月・10月 9月には大きなトレンドが形成されやすく、この動きは10月や11月にも継続することが多いです。しかし、アメリカの「10月効果」というアノマリーにより、大きな暴落のリスクも考慮する必要があります。
11月 9月以降のトレンドが11月にはポジションの調整を受け、終息に向かうことが多いです。その結果、月末に方向転換する可能性が高まります。
12月 年末に向けてのポジション調整や、市場参加者の減少によるボラティリティの増加が特徴的です。クリスマス休暇前後は特にトレンドが確立しにくい状況となることが多いです。

他の注目すべきアノマリー:ゴトーの日(5・10日)と水曜日のスワップ

月毎のアノマリー以外にも、特定の日付や曜日、さらに季節や天文学的な要因による市場のアノマリーが見受けられます。以下、その中でもよく知られているものをいくつか紹介します。

ゴトーの日(5・10日)

「ゴトーの日」とは、日付に5と10が含まれる日のことを指します。多くの日本の輸入業者が、この日に円をドルに換金するため、金融機関は外為市場でのドルの需要が高まることから、ドル円のペアは上昇する可能性が高まります。

水曜日のスワップ

週末(土日)の金利が、水曜日に集約されてスワップ金利として計上されることから、金利が低い円よりも、高金利の通貨が優先される傾向にあります。

さらに、占星術の視点から見ると、「水星逆行」の時期は市場が不安定になりやすく、「新月や満月」は市場の動きが変わりやすいとされています。また、「米国の大統領選挙」の後の年には、為替の変動が大きくなることも一つのアノマリーとして知られています。

アノマリーの信憑性とFX取引での適切な利用方法

アノマリーに関しては、一部のものには高い確率で当たることがあるため、すぐさま否定するわけにはいきません。例えば、初めに取り上げた「ジブリの呪い」や「ゴトー日」、「12月のクリスマス前の市場動向」など、アノマリーとしての動きが実際に観測されることもあるし、多くのFX投資家の心理に影響を与えていると言えます。

しかしながら、相場は多様な要因で動いており、アノマリーを重視するトレーダーもいれば、それを無視して成功しているトレーダーも多いです。

したがって、トレンドに沿って取引を行う場合、アノマリーが示す方向性と異なる場合は、その存在を少し意識しておく程度が良いかもしれません。

アノマリーを基にしたトレードが利益を生む場合でも、それは後から見れば結果論であることが多いです。アノマリーのみを信じて取引を行うのは、ギャンブル的な側面が強く、高いリスクを伴う可能性があると考えられます。

 

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